Piano Zero機能紹介:PIANOはクッキーレス時代を迎える今、パブリッシャーのニーズにどう応えるのか
Googleが今年1月にWebブラウザ「Chrome」での3rdパーティーCookieのサポートを段階的に廃止するとアナウンスし、メディア業界はパニックに陥りました。3rdパーティの終焉については、長い間話題になっておりましたが、近い将来ついに現実となります。また、3rdパーティーCookieが廃止されることで、3rdパーティーのデータが利用できなくなることも、その恐怖に拍車をかけていると言えるでしょう。しかし、PIANOは全く異なった視点を持っており、これを絶好の機会だと考えております。
実際のところ、3rdパーティデータは信頼性が高いものとは言えません。インターネットの世界で、自分がトラッキングされているという事実を快く受入れているユーザーはいませんし、3rdパーティCookieのトラッキングに基づく属性モデルも正確ではありません。そのような中、デジタル広告業界では、ユーザーの同意を取り、プライバシー・透明性の向上を実現するため、信頼性の高い1stパーティデータ (更にゼロパーティデータ) にフォーカスした大幅な見直しを行うチャンスが到来したのです。
PIANOはこのメディアにとっての最大のチャンスをサポートするソリューションであるPiano Zeroをリリース致しました。
■Piano Zeroの実力
メディア企業はゼロパーティデータ(ユーザーが登録フォームやアンケートに記入することで得られる明示的なデータ)を収集するに当たり、とてもユニークな位置付けであると言えます。ゼロパーティデータはユーザーが自ら提供することを選択した個人情報や興味関心情報であり、メディア企業がユーザーの行動やコンテンツ閲覧傾向を追跡することで収集する、信頼性のある1stパーティデータと組み合わせて活用することができます。
このゼロパーティデータと1stパーティデータ の保持が、メディア企業にとって飛躍する絶好の機会なのです。なぜなら、今までは仲介業者に中抜きされていた広告収益を取り戻し、ユーザーや広告主とダイレクトな関係性を構築することができるからです。 そしてPianoはこの機会を逃さずに、データの収集やデータの活用ができる唯一の統合的なプラットフォームを提供しています。
DMPを活用し、Piano Zeroは、PIANOがこれまでにサブスクリプションビジネスで行ってきたことを、メディア企業の広告領域に対しても、同様に活用していくことを考えています。
■エンドツーエンドソリューション
Piano Zeroは、ゼロパーティデータと同意を獲得する為に必要なツールを、1stパーティDMPと組み合わせ、セグメントやLookalike(類似)セグメントを作成する機能を提供します。
■ゼロパーティデータのキャプチャ
ユーザーや広告主との信頼関係を利益化する為には、メディア企業は既知ユーザーからゼロパーティデータを取得しなければなりません。PIANOのID管理ソリューションであるPiano IDは会員登録やログインデータ、認証、カスタム・フィールドを介した柔軟なデータ獲得を可能にします。そしてブラウザやデバイス間でユーザーを識別し、革新的なプロファイリング機能によってユーザー情報を取得することで、最も関連性の高いデータを構築します。Piano ID で収集されたデータを活用し、ユーザーのセグメント化やターゲティングを行い、マーケティングや広告効果の向上を図ることができます。
また、パスワード不要の会員登録やメールアドレスとマジックリンクを使ったログイン機能の提供も行っています。すでにID管理機能を利用している場合は、Piano IDの「Bring Your Own Auth」機能(認証連携機能)を使用し、データの獲得とターゲティング設定の機能を活用できます。Piano IDにて提供された標準のデータ取得機能以外にも、既存のCRMとのデータ連携やオフラインデータで管理されたゼロパーティデータをアップロードしてデータのもつ可能性を引き出すことでユーザーとメディアビジネスとの関係性を総合的に把握することができます。
■適切なインセンティブと価値交換の作成
データ取得には適切な対価を支払わなくてはなりません。つまり、ユーザーがメールアドレスやデモグラフィックデータ、興味・関心データを提供するには、相応の理由や動機付けが必要であり、登録フォームを設けるだけでは不十分なのです。アメリカ・ニューヨークタイムズでは、2回目以降の記事の閲覧で会員登録を促しますが、ほとんどのパブリッシャ企業では、サイトユーザーやページビューに悪影響を及ぼすという懸念から、そのような厳しい条件を設けることができません。単にアクセスするだけでは何の報酬もなく、ユーザーも離れて行きがちですが、インセンティブを提供することで、読者を減らすことなく登録ユーザー数を増やすことができます。Piano Composerは1人1人のユーザーに対し、ベストなタイミングでメッセージを表示することが可能です。ユーザをターゲティングすることで、アドブロックの無効化の推奨やニュースレターへの登録推奨、また、特定のコンテンツや機能へのアクセスの際に会員登録を促すことが可能となります。また、Piano IDとの統合で、適切なタイミングでデータを交換することができます。(例えばパーソナライズされた天気予報を見る為の郵便番号入力など)
■暗黙的な1stパーティデータの追加
Piano IDを使用してユーザーが提供した明示的なゼロパーティデータを構築することはできますが、ユーザーのサイトにおける行動履歴やコンテンツ閲覧履歴を理解しない限り、ユーザーの全体像を把握することはできません。つまり、暗黙的な1stパーティデータを補足する必要があります。PIANOのリアルタイムデータエンジンはウェブサイトの全てのページを自動的に解析し、自然言語処理によって、コンテンツエンティティを抽出し、コンテンツプロファイルを作成します。そしてコンテンツプロファイルと個々のユーザーを組み合わせ、1人1人の豊富なユーザープロファイルを構築し、趣味嗜好や興味関心を含めたコンテキストを理解することが可能となります。コンテンツとユーザープロファイルは、ユーザーセグメンテーションの基盤となるものです。
■広告やマーケティングに有効なセグメントの構築
ユーザーのターゲティングに必要不可欠なものはデモグラフィックデータですが、ほとんどのメディア企業は、ほんの一部のユーザのゼロパーティデータしか保持していません。しかし、それだけでは有効なセグメントを構築することができません。メディア企業に今必要なものは、Lookalike(類似)モデリングを活用してもっと大きなオーディエンス層を構築し、ターゲティングする価値のあるデータセットを準備することです。限られた量のゼロパーティ・デモグラフィックデータでも、Piano DMPのLookalikeモデリングの活用により、数百万のインプレッションを推定することが可能となります。明示的および暗黙的なデータから抽出されたユーザープロファイルを取得し、貴社ビジネスにおいて最も価値のあるセグメントの構築や、エンゲージメント向上、サブスクリプションビジネス構築、高単価のCPM広告のためのターゲティングを実現するPiano DMPは、貴社が必要とする全てのデータセットの獲得と構築、そしてターゲティング機能を持ち合わせる、業界で唯一のプラットフォームと言えるでしょう。
■コンプライアンスの徹底
最後に、このすべてのデータ収集とターゲティングの実施には、ブラウザーのクッキーポリシーと法規制の要件を満たしていなければなりません。PIANOのプラットフォームはGDPR(EU一般データ保護規則)およびCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)に完全に準拠するよう設計されており、データセキュリティの最高規格であるISO27001を取得しています。また、PIANOクッキーは1stパーティCookieであり、Safari ITPやFirefoxの要件を満たしているもので、ユーザーが望んだ場合ログイン状態の保持ができ、ユーザーの許可を尊重します。
■新データランドスケープでの躍進
PIANOのパブリッシャーファーストの精神と、ユーザーのサブスクコンバージョンまでのエンゲージメント向上を目的とした、カスマタージャーニー構築手法が広告ビジネスでも活用できます。私たちは取得したデータを活用することで、収益の最大化を支援するツールを提供しています。これまでのノウハウと知見から将来を予想すると、デジタル業界のメディア企業、また広告主やユーザーにとっても新たなチャンスが訪れ、これまで以上に躍進した世界が待っているはずです。