オーディエンスセグメントの強化に欠かせないプログレッシブ・プロファイリングとは
プログレッシブ・プロファイリングは、ユーザーからゼロパーティデータ、1stパーティデータを段階的に取得し、それらのインサイトを使用して詳細なオーディエンスプロフィールを少しづつ繋ぎ合わせ、構築していく手法です。ビジネスニーズに最も関連性の高いデータを最適なタイミングで入手することができるのも特長の一つです。
デジタルの情報交換が当たり前になったこの時代において、インターネットユーザーは高度にパーソナライズされたサイトエクスペリエンスを求めています。つまり自分の興味・関心に沿ったコンテンツに気軽にアクセスし、すぐに閲覧したいのです。適切にパーソナライズされたコンテンツは、一見ユーザーを再訪ユーザーに変え、再訪ユーザーは定期購読者へと成長し、LTV(ライフタイムバリュー)を向上させていくことで、パブリッシャービジネスの発展に大きく貢献する存在となります。
プログレッシブ・プロファイリングを活用する理由
プログレッシブ・プロファイリングは、ユーザーのブランドロイヤリティを高めるパーソナライズされたエクスペリエンスを実現するために有効な手法です。サイトユーザーの興味・関心に関する理解を深め、各ユーザーに最適なコンテンツ提供をすることで、ユーザーのウェブサイトに対する信頼を構築することができます。ユーザーとの永続的な関係を確立する為には、この信頼は必要不可欠なものです。
ユーザーの負担を軽減
データ獲得手段としてプログレッシブ・プロファイリングを利用することで、一定期間内に少量のデータを段階的に収集することができます。長くわずらわしいフォームをユーザーに押し付けるのではなく、カスタマージャーニーの早期の段階で名前と連絡先情報の入力を依頼し、ユーザーがサイトコンテンツに慣れてきたところで、アンケートやスペシャルオファーのポップアップフォームなどを通して、他の情報を入手することが可能です。
プログレッシブ・プロファイリング戦略のメリットはアグレッシブなデータ獲得技術を導入することなく、ユーザープロフィール作成ができることです。このプロセスは時間をかけて進行していくため、ユーザーは負担を感じることなく、自然と自身に関する情報を提供することができます。
提供済みのデータを再度提供する手間がない
サイトユーザーにとって、最もわずらわしさを感じることの1つに、何度も同じユーザーデータの提供を求められる問題が挙げられます。プログレッシブ・プロファイリングはサイト利用履歴を元にユーザーをターゲティングし、この問題を回避することができます。ユーザーがすでに氏名やEメールアドレスを提供済みである場合は、それ以外の情報提供を促すフォームが表示されます。例えば、どんなコンテンツを閲覧したいか、というようなユーザーに関する、より詳細な情報です。ライターのプロフィールを作成し、ユーザーにお気に入りのライターを選んでもらうといった事例もあります。
ユーザーのプロフィールに沿ったターゲティングオファーを提供
プログレッシブ・プロファイリングを使うことで、ユーザープロフィールやセグメントの興味・関心に最適なオファーを提供することができます。例えば、ブライダル専門のウェブサイトである場合、ユーザーのプロフィールデータに基づき、特別な場所での結婚式のオファーを宣伝することができる他、アウトドアスポーツのウェブサイトを運営している場合、コンテストに優勝するとオフロード車が当たるキャンペーンを宣伝する、などユーザーの趣味・嗜好に最適なオファー提供が可能です。
これらの戦略は、サイト上で公開しているコンテンツのパーソナライゼーションや、収益化を図る実用的な方法です。適切なオファーを適切なユーザーに提供することで、そのオファーからのコンバージョン率が上昇し、結果的に広告クライアントを含めた関係者の潜在的な収益を増やすことができます。
プライバシー保護法がプログレッシブ・プロファイリングに与える影響
欧州連合(EU)が採決したGDPRは、個人情報の安全な取得、保管、管理を企業に義務づけた最初の大きな法律でした。それは、企業のユーザーデータ取得方法に大きな影響を与えました。結果として、信頼性が高く、コンプライアンスに準拠したテクノロジーを使用する検索エンジンが求められたため、3rdパーティCookieの無効化が延期されました。
プログレッシブ・プロファイリングは、ゼロパーティデータと1stパーティデータをセグメント化し、情報量の多い、充実したオーディエンス・プロフィールを構築するのに役立ちます。ゼロパーティデータとは、ユーザーがフォーム入力、アンケート回答、ウェブサイト利用時に選択した設定などを通して、意図的に企業に提供するデータのことであり、1stパーティデータは、ユーザーが貴社のウェブサイトのページを閲覧する際に収集する行動データです。いずれもEUのGDPRや、カリフォルニア州のCCPAなどのプライバシー保護法に準拠しており、検索エンジンから3rdパーティデータが消えゆくなか、非常に貴重な存在です。
プログレッシブ・プロファイリングをデータ取得戦略として採用することで、オーディエンスの行動データを基に作成するプロフィールを段階的に取得し、ウェブサイトのパーソナライゼーション、広告枠の配置、コンテンツ収益化の施策を改善することが可能となります。これらは全て、貴社ビジネスを発展させる要素としてなくてはならないものです。
プログレッシブ・プロファイリングについてのお問い合わせは、担当アカウントマネジャー、もしくはcx-info-j@piano.ioまでご連絡ください。